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大きな弧を描いてルアーは、全く同じ所に着水した。
・・・今度は、少しだけ時間をおいてリーリングを始めた。
相変わらずそのスピードは恐ろしく速かったが・・・・。

しかし・・・・先ほどと違う空気を吉田は感じていた。
物凄い速さでリーリングする輝幸の背中から
発する気が違うのだ。
覚悟を決めた・・・というか、なにか奥深い感覚・・・
そんなオーラを見てとれた・・・。
とても声をかける雰囲気ではない。
時間が止まったみたいだな・・・・・と吉田が思った瞬間!

輝幸のリーリングする手が止まった!
・・・・いや、止められたのだ!

ジャーーーーーーッ!
きつく締めたはずのドラグからは、ラインがどんどん出て行く。
ロッドは、大きくその根元からグニャリと曲げられている。
合わせの必要はなかった。
完全な向こうアワセである。
彼のDB-?マグナムを引っ手繰るように喰いついたのだ!

「ビンゴッ!!」
ぐっと足を踏ん張る。
そうしないと、よろよろと引き込まれそうになる。
こんな強烈な引きは初めてだ!

ドラグはさらに少し締めたものの、まだ出て行くラインの方が多いくらいだ!
巧みなロッド捌きでなんとかかわしているが、並みのプロならば
ラインを全部引っ張り出されて、一瞬でバイバイ・・・というところであろう。

とにかく重い重い!
どんどん潜っていく。

あまり潜られて、藻の中に入り込まれたらお終いだ。
少し強引にハンドルをこじ回す・・・・・
しかし・・・何と言う力だろう。
全くリールを巻けないほどの抵抗を見せる!

ロッドアクションでかわし続けるしかない!


2008年9月12日(金)

NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”1:第一章 プロローグ2:3:第二章 デビュー4:5:6:7:8:9:10:11:12:13:14:15:第三章 ミラクルバシング16:17:第四章 ライトゲーム18:19:20:21:22:23:24:25:26:27:28:29:30:31:第五章 ハイテク バシング32:33:34:35:36:第六章 リトルアングラー37:38:39:第七章 老人40:41:42:43:第八章 迷い・・・・44:45:46:47:48:49:50:51:第九章 フロック?52:53:54:55:56:57:58:59:60:61:62:63:64:65:第十章 最後の決戦66:67:68:69:十章 第二節 プレッシャー70:71:72:73:74:75:76:77:78:79:80:81:十章 第三節 懐かしいパワー82:83:84:85:十章 第四節 スーパーランカー86:87:88:89:90:91:92:93:94:95:最終章 ノーフィッシュ96:97:98:最終話99:あとがきNO-FISH