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しかし、そのポイントにはすでにライバルが先に入っていた。

磯村である・・・。

磯村も同じく、浮いている障害物の真下に付いている
バスを狙っていたのである。

輝幸はエンジンを切って、静かに・・・なるべく遠くを廻って
通り過ぎた。
乱暴にエンジンを吹かして邪魔をしたりなどということは
絶対にしなかった。
それは、彼のちっぽけなプライドでもあった。

磯村は、こちらに気づいたらしくチラリと振り返った。
すこし首をカクンと曲げて、ニコっと微笑んできた。

その表情には、明らかに余裕が感じられた。

輝幸は固い表情のままじっと見返すのみであった。

磯村は別に気にした様子もなく、また自分のルアーの方に見返った。

なんとなく惨めな気持ちで暫く彼のボートを見ながらエレキを回し
少し離れてから、静かにエンジンをかけた。

なにやらエンジンの音まで輝幸をバカにした様な
吹け上がらない、情けない音を出していた・・。


2008年8月 1日(金)

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