11:

← 10: | fish | 12: →

みるみるうちにラインが巻き取られていく。
しかし、さすがに相手は50cmオーバーのランカーである。
幾度となく相当な力で抵抗を試みている。

その度に輝幸は・・「おっとっとぉ・・・」
と、その巧みなロッドアクションのみでかわしてしまう。

その間にもバスの体力は確実に奪われ
その抵抗の数は目に見えて減っていた。
相変わらず強引なリーリングを繰り返す輝幸にかかって
バスはドンドンとボート近くまで引き寄せられてきた。

あまりに簡単に寄って来たので少々気の抜けた感じであるが
同船のプレスには分かっていた・・・

大胆ではあるが、このランディングがいかに計算され
他のどんな慎重なランディングよりも神経を使い
そして、今後の釣りに有効であるかを・・・・。

いたずらに時間をかけすぎて周囲のバスに警戒心を持たせることを
輝幸は一番避けたかったのである。
そのあまりに大胆で無謀に思えるランディングは
慎重・大胆というレベルを超えた次元にあったのである。
事実、輝幸の額にはうっすらと汗が滲み、
余裕の表情とは裏腹に、その唇は白く渇いていた・・・。


2008年6月 2日(月)

NO-FISH・過去記事
連載小説 ”NO-FISH”| 1:第一章 プロローグ| 2:| 3:第二章 デビュー| 4:| 5:| 6:| 7:| 8:| 9:| 10:| 11:| 12:| 13:| 14:| 15:第三章 ミラクルバシング| 16:| 17:第四章 ライトゲーム| 18:| 19:| 20:| 21:| 22:| 23:| 24:| 25:| 26:| 27:| 28:| 29:| 30:| 31:第五章 ハイテク バシング| 32:| 33:| 34:| 35:| 36:第六章 リトルアングラー| 37:| 38:| 39:第七章 老人| 40:| 41:| 42:| 43:第八章 迷い・・・・| 44:| 45:| 46:| 47:| 48:| 49:| 50:| 51:第九章 フロック?| 52:| 53:| 54:| 55:| 56:| 57:| 58:| 59:| 60:| 61:| 62:| 63:| 64:| 65:第十章 最後の決戦| 66:| 67:| 68:| 69:十章 第二節 プレッシャー| 70:| 71:| 72:| 73:| 74:| 75:| 76:| 77:| 78:| 79:| 80:| 81:十章 第三節 懐かしいパワー| 82:| 83:| 84:| 85:十章 第四節 スーパーランカー| 86:| 87:| 88:| 89:| 90:| 91:| 92:| 93:| 94:| 95:最終章 ノーフィッシュ| 96:| 97:| 98:最終話| 99:あとがき| NO-FISH