85:十章 第四節 スーパーランカー

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そしていきなりロッドストレージから、
一本のロッドを取り出した。
8フィートのとてつもなく長いロッドは
デカいクランクベイトを引くためだけに作られた代物で
琵琶湖の北湖のような水深のある湖を対象に
作られた、クランキングスペシャルである。

タックルボックスから取り出されたルアーは
やはりバグリーのDB-?・・・・。

しかも、こいつは只のDB-?ではない。
初戦のDB-?よりも更に潜航深度を上げたスペシャルバージョン
DBー?マグナムだ。
黄色と黒と、そして腹の部分は赤に染められたそれは
ホットタイガーと呼ばれる、実に派手なルアーだ。
こういったクリアウォーターでは、あまり使われないカラーである。

・・・しかも、魚探のスイッチすら入れていないから、水深も分からない。
水温はもちろん、湖底の様子も皆目分からないのに
7m以上潜るディープダイバーをチョイスするなんて、正常な判断を
失っているとしか思えなかった。
魚探もエレキも捨て、何の根拠もないポイントに向かって
でっかいクランクベイトを投げる・・・・といった突拍子もない行動に
同船の吉田は、これで完全に輝幸のチャンピオンは無くなった・・・
と感じた。


2008年9月 8日(月)

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