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その日、大荒れだった琵琶湖で、日本で初めての
本格的なバスフィッシングトーナメントが開催された。

輝幸の父が中心となって開かれたこの大会は
今後の日本におけるバスフィッシングの発展に
大きな影響を与えたのであるが・・・・・

その日、あまり調子の良くなかった輝幸の父親は
計量時間ギリギリ10分前にランカーを釣りあげ
ようやくリミットを達成し、慌てて帰ろうとして
操船を誤って転覆してしまったのである。
当時、琵琶湖のプレジャーボートといえば
せいぜい10馬力から50馬力がせいぜいだったが
本場アメリカから輸入されたバスボートは
100馬力を誇るものがあり、もちろん数は少なく
高価なものであったが、輝幸の父親を始め
何人かが、アメリカ製の本格的なバスボートを持ち込んでいた。
スピードが出る分、当然危険は大きい。
単独の転覆事故で人命が奪われるなど当時では
考えられないことで、世間に与える影響は大きかった・・・

この事故で、トーナメントは中止。
その後数年間は、トーナメントらしいトーナメントは行われていなかったのだが
当時新人だった磯村らが中心となって、再び
”日本バスフィッシングトーナメントGP”として復活したのである。


2008年7月 3日(木)

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