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輝幸は、今回も最新式の魚群探知機を一台であるが
搭載してきていた。

彼は、老釣り師の言葉に迷いを感じながらも
このハイテク装備こそ、経験深い磯村省吾に勝つ
唯一の方法だと信じていた。

実際、初参加のトーナメントでそこそこの成績を残せているのは
多分にこのハイテク装備のおかげであったのだが
彼の心のどこかで、なにかしら吹っ切れないというか
晴れないものがあったのも確かなことである。

何か大事なものを忘れているような・・・・・
そんな気がしてならなかったのである。

そんなモヤモヤと、今日の鬱陶しい雨を振り払うかのように
エレクトリックモーターを乱暴に湖面から引き上げ
これまた乱暴にエンジンを吹かした。

このワンドの奥では、トップウォーターで二匹のキーパーを
引きずり出したが、後は小さいのばかりが続いていたのである。

もう一か所、流木の溜まっているワンドをプラクティスの時に
見つけてあったので、そこへ向かった・・・・・


2008年7月31日(木)

NO-FISH・過去記事
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