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計ってみると52cmジャスト・・・
体重は2・3kgあった。

ここ霞ヶ浦の過去のトーナメントにおける最大魚が
49cm・1・8kgという事を考えると、本日のNo,1フィッシュであることは
ほぼ間違いないだろう。

そのN0,1フィッシュをなんと、たったのワンキャストで釣ってしまったのである!

トーナメントにおける大型魚(ランカー)は、言うまでもなく大変有利な要因である。
それは、単純に結果として体重が重く成績に直接関係する・・・
という要素はもちろんなのであるが・・・
今後、確実にギリギリでもいいからリミットである4匹を釣れば
確実に入賞・・あるいは入賞どころか上位・・優勝まで見えてくるからであり
精神的に非常に楽に釣りができるのである。
でかい奴を釣らなくても、確実に年間のポイントが獲得できるから
余裕で自分の得意な釣りができるのである。

余裕が出きるとルアーアクションも活き活きとして
かえって大物が連発・・ということも多々あるのである。

そいつを丁寧にライブウェル(活けす)にいれて
輝幸は再びロッドを手に、スッと立ち上がった。

ラインを2m程引き出して、慎重に傷がないかチェックする。
ルアーから1mくらいのところが一番傷付きやすい。
少しでも傷があると、14ポンドまで耐えられるはずのラインが
半分の7ポンドの負荷で切れてしまう事がある。
折角のバスを1mmの傷で逃す事ほどバカらしいことはない。

先ほどの大胆さからは想像もつかないほど慎重に
ラインをチェックする。
傷らしい傷はどこにも見つからなかったが
輝幸は2mばかり引き出したラインをプツンと切って
新しくルアーを結びなおした。

もちろんその間の時間はロスになるが
ラインブレークでバラす事を思えば何でもなかった。
もちろん、プロの中で切った2mのラインが勿体ない
と思う人間はいないだろう・・・。


2008年6月 4日(水)

NO-FISH・過去記事
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