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「余計な事を喋りすぎたようだ・・・・
 じゃ・・私は行くよ・・・

 あぁ、最後に君に言っておきたいことがあるんだ・・。

 今の君の目に写ってるのは魚なんかじゃない・・・
 その、最新鋭だかなんだか知らないが、魚探のスクリーン
 だけなんじゃないかな?

 もっと、自分自身に目を向けてごらん・・。
 そうすれば、今まで見えなかった物が見えてくるはずだ。

 そう・・・思い出すんだ・・・・本当の自分を・・・・」

そう言い残して、老人は音もなく去って行った。

しばらく老人の言葉を噛みしめていた輝幸は
ふと思い出したように、先ほど老人が釣っていたポイントに
向ってボートを進めた。

・・・・いかにも釣れそうなグッドポイントである・・・・

そこで暫く、あらゆるルアー、テクニックで釣ってみた。
しかし、老人が使っていたクランクベイトを引いても
ワームを使ってみても、他のどんなルアーを使っても
小さなアタリ一つなかった・・・。

輝幸は、ふぅーっと大きな溜息をついて
老人が消えていった方向を見返してエレクトリックモーターを
強引に湖面から引き上げると
「今日は日が悪い!
 あんな爺さんに釣れて、俺に釣れないなんて・・・・」
と呟き、スキーターS175リミテッドのV6エンジンに火を入れた。

全速力でマリーナに向かう輝幸を嘲り笑うかのように
老人のポイントで一つ・・・ライズがあった・・・・・


2008年7月11日(金)

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